【信頼と不正】根底に信頼があり、不正をしない文化 デンマーク

 

デンマークに約1年住んでいたが、税金がとても高いことについてデンマーク人がそのことについて文句を言う姿を目にすることはありませんでした。
もちろん人それぞれ考え方があるから、文句を言っている人もいると思うが、自分にとって近しかったデンマーク人は文句を言っていなかったと記憶しています。

 

納税者は政府を税金を納め自分たちの為になることに使うと信じ、そして政府は納税者がきちんと税金を納め・不正受給などをしないことを信じている。
「お互いに信頼する」と言うことが根底にあり、かつ、不正をしない文化であるから手厚い社会保障制度が成り立っているのだなと感じました。

 

デンマークの留学の経験とともに今日はその話をしようと思います。

 

 

信頼し合っていると、コストは低くなる

 

仕事場での上司と部下の関係について思い浮かべると、このことは腑に落ちると思います。
上司と部下が信頼し合っていないと、上司はあれこれ部下に指示を出し、それをきちんとやったのか・できたのか進捗確認をしなければならないでしょう。
そして部下も上司を安心させる為に必要以上に報告をしなければならないでしょう。

 

これが、もし上司が部下を信頼していた場合、過度に介入して指示出しや進捗確認をしなくなり、そして、部下も上司を信頼していると、最低限の報告で済むでしょう。

 

 

別の場面を例に出すと、世の中にいる人全員を信頼していた場合、監視カメラなんて必要ないです。
ドアや窓に鍵をかける必要もないです。
つまり、信頼が成り立っていないと、監視や防犯対策をして、安全確認をしなくてはいけない為、コストがかかるのです。

 

デンマークでは上述した通り、国民と政府が信頼し合っている関係があります。
納税者は政府が汚職や不当に税金を使わず、デンマーク国民に対して適切に再分配してくれると信じて納税する。
政府はデンマーク国民がきちんと税金を払い、不正に受給しないことを信じて政策を立てて再分配する。

 

ここに信頼がないと、不正をしている人から税金をきちんと回収する為に政府が人を追加で雇ったり調査費用をかける等とコストがかかってしまう。
この余計なコストをかけないため、さらに国民のためになる再分配ができる。

 

 

不正をしないデンマーク人

 

納税とは少し話が変わりますが、これは自分が留学中に経験したことです。
私の住んでいた寮には留学先の学生以外のデンマーク人も多く住んでいました。
家族で住んでいる人や、友人とルームシェアしている人、一人暮らしの老人。
イメージは寮というよりも、大学がいくつも並んでいるマンションの何部屋かを刈り上げして、学生に貸しているものでした。

 

そのマンションには共同のランドリールーム(洗濯機のおいてある部屋)がありました。
そのマンションに入居している人全員、そのランドリーカードを持っており、そこにお金をチャージして洗濯機を使うという仕組みでした。
私たち留学生は家賃に洗濯機の使用量が含まれていたので、無制限に使用することができました。

 

同じマンションに住んでいて仲良くなったデンマーク人に1度ランドリールームでばったり会ったことがあります。
そこで、その彼の節約の為にと思って、「お金払わなくていいから自分のランドリーカード使う?」と聞いたことがあります。
そしたら、彼はなんとなくバツが悪そうな感じで、「いや、自分のカード使うから大丈夫」と言って、何と無くその場に微妙な空気が流れたのを覚えています。

 

その時はお金払わなくていいのだから、使えばいいのになぁ、と不思議に思っていたのですが、今なら彼の気持ちが理解できます。
たった1回とはいえお金を払わずに洗濯機を不正に使うことで、信頼が失われ、それが広がっていけばこの洗濯機の支払いシステム自体を変えていかなければならない。
信頼で成り立っていたシステムを壊す一助に加担してしまうことを感覚的に思っていたのかもしれません。
とはいえ、友人からの好意に対して強く反対と反応することもしたくない。
そういう感情があり、バツが悪そうな感じで、微妙な空気が流れたのだろうなと今は理解しています。
(本人に聞いたわけではないので、正しいかはわかりませんが。)

 

一人一人が不正をせず、お互いの信頼で成り立っていることが多くあるデンマーク。
それが世界の中でも有数な社会福祉制度を維持して運用できている根本なんだろうなと感じました。

 

日本では真似するのは難しいかもしれないけれど、不正をせず信頼で成り立たせているビジネスやシステムの方がコストがかからないものが一つでも増えると良いなと思いました。

 

ではでは

 

オスギ

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